How to walk Internet BBS for senior ver 0.10 中高年のためのインターネット掲示板の歩きかた0.1版 2003/07/28 書いたひと: ALPHA ○はじめに インターネットの世界には実にさまざまな掲示板があります。そこでは、同 好の士が集まって談笑していたり、また主婦の井戸端会議のように同じ境遇の 人たちが情報交換をしていたりします。 いっぽうでインターネットの特性を悪用して違法なことを起こすなど、新聞 で報道されることも多くなってきました。 この文書は、いままでインターネットと縁の薄かったかた、特に中高年のひ とが、初めて掲示板を触るための予備知識と、トラブルに巻きこまれずに快適 な情報交換をおこなうためのガイドです。一度に全部読む必要はありませんの で、少しづつ進んでいきましょう:-) ○全ては自己責任 当たり前のことですが、なにかを行なったらそれに伴う責任が発生します。 例えば、車を運転する以上事故は避けられないものですが、普段は自動車の恩 恵を享受していながら、いざ万が一の事態になった時には無責任、というのは 許されません。 同じように掲示板を読み書きすることによって生じる利害についても、最終 的にはなんらかのかたちで自分に降りかかってくる、ということをよく考えて おきましょう。特にインターネットの世界は既存の法律や規制等の目が届きに くい(本当は届かないわけではないのですが) ため「なにをやっても許される」 と勘違いして不正を働く輩がいます。車の例で言えば『事故に遭いたくないか ら運転はしない』というのもひとつの責任の取り方ですが、同じように『被害 に遭いたくないからインターネットは使わない』というのも方法のひとつでは あります。 この文書はそうではなく、どのような弊害や欠点があるのかを正しく理解す ることでトラブルを回避しながら上手に恩恵を享受する賢い利用者になるため のものです。なにはともあれ『自己責任』という言葉を常に意識して以下を読 み進めてください。ここで読むのをやめるのも『自己責任』です:-) ○掲示板の基本的なしくみ・用語 (未執筆) ○個人情報の保護 掲示板に書かれたものは世界中の誰からも見られる可能性があります。世の 中すべてが善人であれば苦労はいらないのですが残念ながらそうではありませ ん。 このような場所に、住所や電話番号などの個人情報を不用意に書きこんでし まうと取り返しのつかない事態になりかねません。いたずら電話がかかってく るくらいならまだしも、凶悪犯罪に悪用される可能性だってあります。もちろ んクレジットカード番号などはもってのほかです。 個人情報を掲示板上に開示するときは慎重に、それが本当に必要な情報なの かを良く考えてからにしましょう。特に掲示板に慣れるまでは、慎重になって なり過ぎるということはありません。そのくらい個人情報は大事なものです。 ・匿名と実名 ここでいう実名とは、必ずしも本名ではなく、掲示板のうえで個人を特定 できる通り名(ニックネーム、ハンドルとも言う)であれば良いと思ってく ださい。実社会で通用している本名を求める掲示板もありますが少数派だと 思います。 さて。掲示板には、実名が原則のところもあれば匿名が多数派のところも あります。名前というのも個人情報のひとつですから、その扱いには注意が 必要です。 匿名の場合、複数の匿名者がいた場合、どれが誰の発言だか分からなくな り議論自体が成り立たなくなることが往々にしてあります。また、匿名なら 追及を免れる思って放言が横行したり、怪文書のようなものが出回ったりし ます。ぞくに『便所の落書き』と言われるものですが、ときには情報として はとても重要なものが含まれていることもあります(例えば、内部告発のよ うなものです)。 いっぽう実名が原則の掲示板では、個人が特定できますから、より深いコ ミュニケーションが図れる可能性が高くなります。ただし、“場の雰囲気” のようなものが生まれますので新しいひとが馴染みにくかったり、反対意見 が言いにくくなったりすることもあります。また、偽名で他人に成りすまし て悪用されることもあるので注意が必要です。 ひどくおおざっぱにまとめると、匿名のほうが「より広く浅く」、実名だ と「狭く深く」なる傾向があると思ってよいでしょう。どちらを選ぶかはそ の人しだいです。 ・メールアドレスの公開とその弊害 メールアドレスもまた重要な個人情報です。掲示板上で公開すると、まず 間違いなく、迷惑メールやコンピュータウィルスの攻撃にさらされることに なります。それらに対応する安全策がしっかりできるようになるまでは、メ ールアドレスは開示しないほうが良いかもしれません。 いっぽうでメールアドレスを公開することによって、掲示板では公開でき ない情報をメールでいただける場合もあります。また、メールアドレスを付 記した投稿は、それだけ自分の発言に対して責任を負っている、と解釈され 内容に対する信頼性が増すことも考えられます。 ○ネチケット 実社会では、法律というルールに従ってひとびとが行動していますが、法律 では決められてはいないマナーやエチケットというものがあり、これらは、人 間関係を円滑にしてくれるはたらきがあります。 掲示板にも、守らなければならないルールのほかに、より円滑な会話を行な うために配慮したほうがいいエチケットがあります。 「ネットワーク」+「エチケット」を詰めて「ネチケット」と呼ばれたりし ます。 ・ネチケットとは ここで、「ネチケットにはこれとそれがあります」と定義できれば話は簡 単なのですが、例えば日本とアメリカでは挨拶のしかたひとつ取っても風習 が違うように、掲示板によってネチケットそのものが大きく変化します。 多くの掲示板では、他人を誹謗したり中傷したりすることは嫌われます。 しかしなかには、“口調が傍若無人だろうとその情報が有益なら歓迎され る”逆に“いくら丁寧な態度でも、情報量が無い発言は嫌われる”というよ うな掲示板さえあるのです。 ここで有効な方法は、その掲示板になにか投稿するまえにしばらくのあい だ読むだけの期間を置き、その掲示板の風習に従うことです。郷にいらば郷 に従え、ということですね。もし、その掲示板の風習が自分に合わないと感 じたなら別の掲示板を探したほうがよいでしょう。 ・老若男女 すべては平等 時々、実社会での地位や肩書きを振りかざすひとがいますが、たいていの 場合、この態度は歓迎されません。 インターネットという仮想空間の中では、投稿した文章が全てです。実社 会でいかに立派な功績を持つひとでも掲示板での投稿内容が不適切であれ ば批判されますし、逆になんの地位を持たないひとや子供だとしても、投稿 内容が素晴らしければ歓迎されます。 『白熱した議論をしていたふたりが、実は大学教授と小学生だった』とい う逸話もあります。おそらく作り話でしょうが、地位や肩書きにとらわれず 投稿内容ですべてが平等に評価される、ということを示す例でしょう。 ○掲示板を読む ここからは、実際に掲示板の読むときに気をつけたほうがよい点を記述しま す。 ・読者の責任 インターネットにつながったパソコンの向こう側には何万・何億という大 勢のひとがいます。そのひとのものの考え方はまさに十人十色、千差万別で す。 実世界も、活き馬の目を抜くような厳しい競争社会になりつつありますが、 掲示板には既存の法や規制が届きにくいことをいいことに不正を働く輩もい ますので、ある意味、自己防衛をしておかないと下らない情報や悪意を持っ た情報に踊らされてしまうことにもなりかねません。 情報の受け手の責任として『玉石混交の情報の中から自分に必要なものを 取捨選択する力を身につけ、その情報を活用する際は自己の責任において為 す』ことが求められるでしょう。 ・放言・暴言に対して 掲示板には時に、ひどい暴論・暴言や、無責任極まりない放言が横行する ことがあります。 こういうときはまず、カリカリしないで落ちつきましょう。相手が愉快犯 でこのような投稿をしている場合、興奮して反論するのは「相手の思う壺」 です。 また、議論のテクニックとして、相手をわざと怒らせて論破するために、 極論を持ち出してくることだってあります。 いずれにしても、熱くならないで、相手がなぜそのような発言をしている のかを冷静に分析してみましょう。さきほど『十人十色』といいましたが、 もしかしたらあなたにとっては「非常識極まりない無責任発言」だと感じら れるものも、投稿者本人はしごく真面目に意見を述べていることだってある かもしれないのです。 ○掲示板に書きこむ 掲示板を読むことに慣れ、そこの掲示板の独特の雰囲気やネチケットが分か ってきたら今度は書きこみをしてみましょう。 自ら情報を発信することは、読むだけに比べてより重い責任がかかってきま す。 ・投稿者の責任 さきほど「インターネットにつながったパソコンの向こう側には何万・何 億という大勢のひとがいる」と書きましたが、読む時以上にこのことをよく 自覚して読者のことを考えた発言を心がける必要があります。 掲示板は文字だけの会話ですから、普通の会話では語調や顔の表情などで 伝わる言葉が通じない・誤解されることがよくあります。なにか発言すると きは、細心の注意を払いましょう。書き上げた文章を、投稿する前に読み返 してみると、書いているときには気づかなかったことが見つかるかもしれま せん。 また、なにか発言するまえに、過去の議論のいきさつをよく理解しておく ことも大切です。 ・質問するまえに 初心者のうちはわからないことも多いと思います。誰でもはじめは初心者 なのですからわからないこと自体は恥ずかしいことではありません。しかし、 参考書や検索サイトをちょっと調べれば答えが出るような内容を逐一質問す るのは感心しません。質問をするまえにまずは自分で分かるところまでは調 べてみるくせをつけることをお薦めします。そのほうが、同じ質問でもより 理解が深まることでしょう。 また、初心者が疑問にいだくことは、ほかの初心者も疑問に思っている可 能性がひじょうに高いものです。その結果、同じ質問が掲示板上に何度もな されることになります。これでは回答する側はたまったものではありません。 この状態を回避するため『よくある質問とその回答集』(英語の頭文字を取 ってFAQとも呼ばれます)が用意されている場合があります。質問するまえに まず確認してみるようにしましょう。 もうひとつ。質問するときは、なるべく具体的な質問を心がけてください。 (悪い例)『どこか良い温泉はありませんか?』/(良い例) 『東京から1泊で 家族旅行に出かけたいのですが、どこか良い温泉はありませんか』 前者と後者では後者のほうがより有益な回答がえられる可能性が高いのは言 うまでもありません。 ・水掛け論になったら 。。。『ひとはひと。自分は自分』 議論が白熱してくると、お互いの意見が平行線をたどり堂々巡りをくりか えすこともよくあることです。 こういうときも、ちょっと冷静に考え直してみることをお薦めします。一 度冷却期間を置いてみるとか、もし自分が相手の立場だったら、という観点 で自分の発言を読み返してみると相手の言いたいことが見えてくるかもしれ ません。 それでもどうしても平行線をたどるようであれば、最終的には「そういう 意見もあるんだ」ということを受け入れる度量が必要です。これは相手の意 見を丸のみする、というわけではなく、自分は自分でこう思っているが、世 の中にはそうは思っていないひともいるんだ、ということです。自分の意見 のほうが絶対正しいんだ、と思い込んでいると危険ですし、お互いが不幸な 結果になるでしょう。 ○おわりに いろいろと難しいことを書いてみましたが、最後は『案ずるよりも生むがや すし』です。この文書にかかれたことは参考にすぎませんし、この意見を参考 にした結果どうなるかは『自己責任』です:-) これから掲示板に触れるひとがよりよいインターネットライフを送ることを 祈ります。 おしまい ○付記 この文書に対する意見・質問は次のメールアドレスにて受け付けます。 → alpha_246@infoseek.to ただし、かならずしも回答できるとは限りませんし回答する義務も負いませ ん。 この文書の著作権は、ALPHAが所有します。複製・再配布は自由に行なって かまいませんが、内容の改ざんは一切お断りします。 この文書を読んだことによる、あるいは読まなかったことによるどのような 不利益に対しても著者は責任を負いません。全ては読者の『自己責任』におい て行なってください:-)